コラム『意匠の相性~美味いものが食いたい!』

こんにちは。。。BROSENTの清水です。。。

 

靴のオーダーは良く料理に例えられます。(すいません、本当は私がお客様や若いスタッフに教える時に使う例えです。。。)
どんなに良い食材を使っても、調理法を間違えたら決して美味しい料理にはなりません。
靴に例えるならアッパーやソールなどの素材選びや、前回のコラム『ウェルト、コバについて考える~名脇役なくして傑作なし』に書いたような細かい意匠が材料に当たります。
一方調理法はその組み合わせと言ったところでしょうか?
さぁ!貴方ならどんな食材をどのように調理しますか?

BROSENTの靴のオーダーでは『これ何に使うんだ?』と言ったマニアックな材料(=意匠)までご用意しています。
世紀のお宝を作るのも、世にも奇妙な珍品を作るのも作り手次第となります。
今回は調理法、素材の組み合わせの基本を簡単にご紹介していきましょう。

何を作るのか?

まず一番大事なのはこれです。和食なのか中華のなのか?肉なのか魚なのか?正直ここさえブレていなければ、経験豊かなスタッフが的確にアドバイス出来るので、『お任せ』であればまず外すことはないと思います。でも折角のオーダーですから自分であれこれと決めたいですよね?ではまずこの『何を作るのか?』を明確にしましょう。『ビジネス用のかっちり目の靴』『週末に遊びや食事に行く時の靴』などメインで使いたいシチュエーションを考えましょう!

アッパーとソールの素材を選ぶ

『何を作るのか?』が決まっていれば、必然的にアッパーとソールの素材は大体見えてくると思います。
選ぶコツとしてはお手持ちのお洋服の色目を念頭に置いて選ぶこと。例えばモノトーンや寒色系(青系)のお洋服が多い方は恐らく黒やネイビー、グレーなどが使いやすいと思います。暖色系(赤、黄、橙、茶系)のお洋服が多い方なら茶色や緑、赤などが使いやすいでしょう。店頭に置いてある色見本の靴だけを見て『綺麗だね、これ』で決めると、いざ服と合わせた時に『ん?』となる可能性もあるので、ここは一発深呼吸をして冷静になってから決めましょう!

 

あとBROSENTがプッシュしているコンビ靴を作る時のコツですが初めての方なら『同系色異素材』のコンビがお勧めです。
例えばカーフの黒とスエードの黒のように同じ色でやるとかなり落ち着いた雰囲気となります。寒色系同士、暖色系同士の組み合わせなら頓珍漢な組み合わせになる可能性がグンと下がるはずです。『コンビ!コンビ~ッ!』と鼻息荒く全く関係の無い色を組み合わせると、後程靴の形をした奇抜な置物がお手元に届いてしまう可能性があるのでご注意ください。(-_-;)

 


寒色+寒色の例
寒色+寒色の例
暖色+暖色の例
暖色+暖色の例

細かい意匠を選ぶ

辛い物が好きだからってピザにワサビは合いません。やはりそこはタバスコ系でしょう。
また素材には『穴子とキュウリ』、『エビフライとタルタルソール(個人的見解100%)』のようにベストマッチングなものと、『スイカと天ぷら』『鰻と梅干』のように最悪の組み合わせが存在します。
靴の意匠にももちろん相性の良い悪いが存在します。
全部の相性を書くことは出来ませんが、基本的な考えはただ一つ!一番最初に書いた『何を作るのか?』です!

 

 

では例えば『休日買い物や食事に行く時に履く靴』を作るとしましょう。


アッパーは【適度な抜け感】【天候を気にせず】【好きな服の色は黒、グレー、ネイビー、白(アルマーニさん?)】と言うことでネイビーのスエードをチョイスです!

ではソールはどうしましょう?
【天候は気にせず】履きたいけど、【基本的には革底が好き】。あと【食べることが好きなのでジャケット要着用のレストランには行くと思う】と言うご要望があったので、革底は革底でもハーフミッドレザーにしました。ダブルソールはソール全体に厚みが出るためカジュアル感満載となりますが、ハーフミッドはソールの前半分だけしか厚くならないので、適度なカジュアル感を演出することが出来、カジュアルでジャケットを着るような方なら重宝する仕様だと思います。。

まぁ大体皆さんこの辺りまでは簡単に決定していきます。問題はここからです。
ここからはかなり細かいマニアックとも言える意匠の選択となって来ます。
かっこ悪い靴を作っちゃう最も典型的なパターンが『出来る意匠をこれでもかと乗せてしまうパターン』、ラーメン屋さんでいう『全部乗せ』です。これだけは避けましょうね!

 

この段階でスエードとハーフミッドの靴が出来ている訳ですから、要はこれに合う、合わない意匠を考えれば良いわけです。

合う意匠

外はと目
外はと目

同系色の外はと目は適度なカジュアル感が出るので合うと思います。(私は。。。)

カラーシューレース
カラーシューレース

単価の安い(!)意匠ですが、見た目の印象が決定的に変わるお勧めの意匠です。

メダリオン追加
メダリオン追加

カジュアル感のちょい足し出来ます。


合わない意匠

丸コバ
丸コバ
フィドルバック
フィドルバック
キューバンヒール
キューバンヒール

これらはドレスシューズをよりドレッシーに、エレガントに見せるための意匠なので今回のお靴には合いそうもありません。。。

何となく基本的なルールのイメージは掴めたでしょうか?
良く分からなければ私たちスタッフが『この靴にはこういった仕様が合いますよ』的な感じで進めさせていただくのでご安心ください。

 

そしてここに書いたのはあくまで基本の基本です。
ファッションには原則ルールが存在しますが、それを超えていくことにこそ大きな魅力があると思います!
皆さん私たちの想像を超えるかっこ良い逸品を作ってみてくださいね!!