コラム『ラバーソールのご案内~ダイナイトはダイナイトソールに非ず』

こんにちは。。。BROSENTの清水です。。。

 

前回のコラム『雨靴とオールソールについて』は如何でしたか?
使い古しの靴を雨用にするというアイデア、是非試してみてください!
梅雨前の今がベストタイミングですよ!!
さて、今回はレザーソールをラバーソールにするにあたり、どんなラバーソールが良いのか、何点かお勧めの部材を紹介しようと思います。

現在日本で展開している世界的に有名なラバーソールメーカーは3社。
イギリスのハルボロ・ラバー社、同じくイギリスのデビーズ・オーデル社、そしてお馴染みイタリアのビブラム社です。
ざっくり言うと傑作部材のハルボロ、ゴツ目部材のデビーズ、バリエーションのビブラム、と言う感じでしょうか?
それでは私清水が独断で選ぶ各社のお勧めアイテムをご紹介していきましょう!


Dainite/Studded
Dainite/Studded

まずは日本の靴好きに何故か大人気のハルボロ・ラバー社から。
靴にちょっとでも興味のある方なら一度は聞いたことがあるでしょう、【ダイナイト】はこちらのメーカーの商品です。
ところで皆さんが大好きなこの【ダイナイト】!実はソールの名前ではないこと、ご存知でしたか?こちらのモデルの正式な名称は【スタッドソール】と言います。英語で書くと【Studded】です。そのまま読むと【スタッデッド】となりますが、我々日本人にはちょっと言いずらいので、BROSENTではカタカナ表記の場合【スタッド】と記載しています。では皆さんが今まで【ダイナイト】と呼んできた【ダイナイト】とは一体何なんでしょうか?実はこの【ダイナイト】と言うのはハルボロ・ラバー社のコレクションの名前なんです。最も一般にはほとんど知られていないと思うので、『ダイナイトに変えたいんですが。。。』で100%通じると思います。ご安心ください。

この【ダイナイトのスタッドソール】、現在日本で最も人気のあるドレス系ラバーソールだと思います。理由は分かりませんが。。。
グリップ力は流石にカジュアル用のラバーソールには敵わないものの、日常使いとしては必要十分です。人間の目線から見た時のボリューム感がドレスシューズに丁度良い感じで、ドレスシューズにピタリとはまります。また【ダイナイト】は『炭素を含んでいないので、タイルなどの床にこすっても黒い跡がつかない』と言うのを売りにしておりオフィスなどでも安心してお使いいただけます。この炭素を含まないと言うのは室内用のスニーカーなんかと同じ原理なんですが。。。全然付かないってことはないような気がします。。。個人的には。。。取敢えずは付きにくい程度だと思っていてください。(^^;
弱点としては『グッドイヤー製法の靴に使用することを前提にしているので、パターンがやや広めとなっています。その為マッケイ製法の靴には付かないことがあります』、『接地面が狭い(特に新しい時)ため、濡れた場所からタイルなどの上に踏み込んだ最初の1歩が物凄く滑る時がある』と言うのが挙げられますが、総じて高いパフォーマンスを発揮する定番ソールです。
そう言えば某有名な靴のバイヤーさんが店頭で『ダイナマイトソールもございます!』と言っていたのを思い出しました(笑)爆発しないで良かったです。

Dainite/Ridgeway
Dainite/Ridgeway

ハルボロ・ラバー社からもう1点、カジュアル用の『リッジウェイ』をご紹介します。
ハード目ではないカジュアル、J.○ウェストンのゴルフや、ローファー、A○DENなどちょっとボリュームのある木型によく合います。
抜群のグリップ力を誇る割に見た目がゴツ過ぎず、適度な柔軟性も有しています。
総合的なバランスで見て、個人的には【スタッド】より優秀だと思っている傑作ソールです。

Itshide/Goodyear
Itshide/Goodyear


続いてはデビーズ・オーデル社から。
会社の名前は日本ではほとんど知られていませんが、『イッツハイド』『コマンド』『フィリップス』と言ったブランドはご存知の方も多いのではないでしょうか?
これらのブランドを現在管理している会社がデビーズ・オーデル社です。
そのデビーズ・オーデル社を代表するモデルがこちらの『グッドイヤー』です。
『コマンドじゃねぇか!』と言う声が聞こえてきそうですが、まさにその通りなんです。
最近、『イッツハイドのコマンド』がこちらの『グッドイヤー』に変わってきているんです。
推測するにデビーズ・オーデル社にイッツハイドブランドが買収されてから、何らかの理由で生産を『グッドイヤー』に変更したものと思われます。
ですから『イッツハイドのコマンド』と同じと思っていただいて構いません。
登山靴にも使われる抜群のグリップ力は待ち履きでは最早オーバースペック!!
多くのメーカーが真似をしていることからも、如何に完成されたデザインかが分かると思います。
弱点としては『硬い!』こと。
履いていく内に多少は柔らかくなりますが、硬いです。。。
でもかっこ良いんで我慢我慢!!

Vibram/Dress
Vibram/Dress
Vibram/Eton
Vibram/Eton

まずはドレスから。
その名もずばり『ドレス』です。。。ビブラム社にも『スタッドソール』と似たパターンを持つ定番の『イートンソール』というモデルがありますが、『ドレス』と言うだけあってほとんどフラットなモデルです。
細かい溝が刻まれているので、見た目以上にグリップ力があります。
ドレッシーさを最優先したい方にお勧めです。


Vibram/Westerner
Vibram/Westerner

もう1点は『ウェスターナー』。その名の通り本来はウェスタンブーツ用のモデルですが、パターンがちょっと半カラスと言う仕様に似ています。ちょっと接地面がハーフミッド状に厚くなっていますが、十分ドレスでも通用するかと思います。ちょっと珍しいモデルなので話のネタにもなると思います!

Vibram/Borogna
Vibram/Borogna

最後はビブラム社を代表するカジュアル底『ボローニャ』です。(モデル名変わってるかもです。。。)俗に『ガムライト』と呼ばれていますが、『ガムライト』は素材の配合の名前です。クッション性、摩耗性に優れ、とにかく履きやすい底材です。私靴のトリッカーズのカントリーはほとんどこの底材に変更しているのですが、最早スニーカーです。これ履いたらもう他の靴履けなくなる恐れがありますが。。。

如何でしたか?BROSENTでは今日ご紹介したもの以外にも多数の部材をご用意しているので、用途に合わせて色々と相談に乗れると思います。
またBROSENT以外で購入したお靴でも承りますので、是非お気軽にスタッフにご相談ください!!