コラム『柔らかいレザーソール~グッドイヤーの救世主』

こんにちは。。。BROSENTの清水です。

以前こんなことがありました。
某英国ご用達メーカーのオーダー会を行った際試履きをしたお客様が『かかとが抜けるなぁ。。。』と仰いました。
メーカーのおじいちゃんが『何て言ってるの?』と言うので通訳したところ。。。『この方はグッドイヤーの靴を履いたことがあるのか聞いて欲しい』とのこと。同じことを日本のじいちゃん職人さんからも聞いたことがあります。そうなんです。グッドイヤーは踵が抜けるんです!

雑誌などで『グッドイヤー製法が良い』なんて書いてあるせいか、しばしばお客様から『この靴はグッドイヤー製法ですか?』と聞かれることがあります。
『歩行に向いている』とか、『修理が出来て長持ちする』なんて良いことばかり書いてあるので、意外とネガティブな部分って知られていません。
その一つが冒頭に書いた『踵が抜ける』です。適正なサイズで履いた場合よほどのことが無い限り大抵は抜けます。構造上仕方ないのです。
何故抜けるかと言うと。。。

 

足を曲げた際、ソールがまだ硬いため靴だけが下に引っ張られてしまう為です。
分かりにくいかもしれませんが、下駄を思い出してみて下さい。

 

 

下駄のソール(?)は木で出来ていますから絶対に曲がりません。
ですから歩く時踵が浮きますよね?
それと同じです。
ソールが柔らかくなって来れば上の写真のように踵が付いてくるようになります。
これがグッドイヤー製法の靴の特徴なのです。
ですから今までは『それが嫌ならラバーソールを選ぶか、マッケイ製法を選ぶしかないですね~』と言っていました。

とは言え何とか初めからソールの返りを良く出来ないものか。。。構造に手を加えるなど色々と考えました。
ですが開発から100年以上の歴史のあるグッドイヤー製法、一朝一夕には上手くいきません。。。
そしてある時ハタと気付きました!『ソール本体を柔らかくすれば良いんじゃん!』と。。。
頭硬かったです。。。単純なことでした。。。
そこで生産を依頼しているセントラル靴さんに相談。

で、出来たのがこちら!

その名も『イタリアン・スーパー・ソフト』!
元々柔らかさでは定評のあったイタリア製の柔らかいベンズ(背中の革)を更に柔らかく改良しました。
見て下さい!その脅威の柔軟性を!

 

右がご存知、ドイツ・レンデンバッハ製のオークバーク、通称JRソールです。
最初は硬く、履いて馴染ませていく、グッドイヤー製法の醍醐味が味わえる世界が認めた高級素材です。

真ん中がイタリア製のベンズ『イタリアンソフト』。
柔らかさに定評のあるソールで、一般的にはこれでも十分です。

そして右が新開発の柔らかい革底『イタリアン・スーパー・ソフト』
断トツの柔らかさがお分かりになると思います。


グッドイヤーの靴なのに履き始めからソールが付いてくる!
夢のようなソールの登場です!
是非一度お試しになってみて下さい!!

 

 

 

BROSENTでは「染め替え」「修理」を郵送でご対応致します。
詳しくは『修理&染替えの郵送でのご依頼』をご覧ください。

 

 

コメントをお書きください

コメント: 5
  • #1

    Maria (月曜日, 12 9月 2016 20:40)

    はじめましてIgで素敵な靴を拝見しこちらに遊びにこさせて頂きました。女性向けのオーダーパンプスや、情報なんかがもっと有れば良いねと友人と話していました。これからも頑張って下さい宜しくお願いします。

  • #2

    BROSENT (火曜日, 13 9月 2016 11:09)

    Mariaさま、コメントありがとうございます。
    レディースに関してですが、現在私たちのメンテナンスや染替えの技術を利用した海外一流メーカーの商品の新古品販売を計画しています。もう少しでご案内できると思いますのでお楽しみに!

  • #3

    Maria (火曜日, 13 9月 2016 19:02)

    早速対応いただきありがとうございます。普段 JIMMY CHOO・ルブタン・ブルーノ マリ・セルジオロッシ・ルパート サンダーソン 等 愛用しています。パンプスを傷つけてしまって現在使用してないものもあります。流石にタニノクリスチーは所有するまでに至っておりませんが、上級者の方が安心してお任せ出来る素敵なお店だと感じました。準備が整ったらIgでも告知して下さいね。私のコレクションもリメイク等、検討したいと思います。これからも宜しくお願いします。

  • #4

    BROSENT (木曜日, 15 9月 2016 20:13)

    良い靴をお履きのようですね。使用していないものはもったいないので、クリーニングや染替え、お修理などで蘇らせることも出来るかもしれないので、宜しければお持ちになられてください。では今後とも宜しくお願いいたします。

  • #5

    Maria (木曜日, 15 9月 2016 21:45)

    こんばんはお忙しい中ありがとう御座います。スタッフ様のIgで染めかえイメージや、紳士靴でしたが、傷補修の事例がご紹介されとても綺麗な仕上がりでビックリしました。私のコレクションのアレもコレもひょっとしたら復活できるかも?? 知れないなんて舞い上がっていました。靴好きの友人と一緒にお伺い出来る日を決めあらためてご連絡させていただきますので、宜しくお願いします。