コラム『私と世界の靴vol.1~ホーウィン(米)』

こんにちは。。。BROSENTの清水です。
カルミナのトニー来店のブログ(⇒『こちら』)から突然強制的に始まったこの企画『私と世界の靴』。
『写真撮るのは趣味だけど、撮られるのは嫌い』『昔取った杵柄嫌い』な私ですが、本間さんの『いくら僕らが「良い靴だ、良い靴だ」って言ってもどこの馬の骨か分からない人たちが作った靴じゃ信用出来ないでしょ、お客様も!』の一言で目が覚めました!
毎回切抜き程度のボリュームになるかと思いますが、私が過去に経験した様々なメーカーの方とのお話を少しずつご案内したいと思います。

 

本間『と言う訳で第1回始めりましたね』
清水『そうだね』
本間『テンション低いですね~!上げていきましょうよ!』
清水『自分の若い頃の写真とか出てくるかもしれないんだぞ。相当恥ずかしいぞ。』
本間『良いじゃないですか。僕が出る訳じゃないし』
清水『はぁ。。。じゃ、まず初回は、こちら』

 

本間『古そうですね!』
清水『1900年位だよ、確か、創業』
本間『どこですか!?』
清水『ホーウィン
本間『ホーウィンってコードヴァンの?』
清水『そう。コードヴァンの』
本間『靴じゃないじゃないですか!』
清水『いいだろ、別に。可愛い抵抗だよ、俺の』
本間『まぁ良いですか。。。コードヴァン好きな人多いし』

清水『場所はシカゴ。びっくりする位都心の近くにあるんだよ。駐車場に届いたばかりの牛の革があったね、生の』

 

 

本間『生ですか。。。』
清水『そう生。言ったら死体だからね。なかなか強烈な匂いでさ。午前中だったんだけど、一緒に行ったメンバーで昼飯食えない人いたよ』
本間『大変なんですね、タンナーさんも。。。次の写真は?』

 

 

清水『ドラム、日本ではタイコって言うけど、まずはこれにぶち込んで、汚れや毛を取る。その後がいよいよ鞣しなんだが。。。』
本間『なんだが?』
清水『タンニン液のプールに漬け込むんだけど、これがまた、匂いが。。。』

本間『凄い?』

清水『凄いな。数時間は鼻から消えないくらい』

本間『それはまた。。。』

清水『純タンニンだからこそなんだろうけどな』

清水『で、ちょっと飛ばしてコードヴァンっぽくなってきたのがこちら』

 

 

本間『お~っ!結構大きそうですね?』
清水『外側はほとんど使えないからもっと小さくなるよ。知ってると思うけど元々は農耕馬のお尻を使ってたんだよ。馬力のある大きな馬だし、叩かれるから革も厚くて丈夫だったから良かったんだよ。だけど最近では農耕馬なんて使わないから、馬も小さく、薄くなってきちゃったってマネージャーさんも嘆いていた。因みに馬なら何でも良いって言ってた気がする』
本間『シマウマでもですか!?』
清水『多分な』

清水『で、ローラーで革の裏側をガンガン潰すわけだ』

 

 

本間『コードヴァンってスエードと同じで裏革ですもんね』
清水『その位は知ってるんだな』
本間『。。。(-_-;)』
清水『じゃあ何で薄い色のコードヴァンが少ないか知ってるか?』
本間『汚れが目立つから?』
清水『正解。特にこのローラーの工程で革とローラーの間に埃でも入ろうものなら強烈なプレスがかかるから黒い斑点になっちゃうんだ』
本間『そこまで知りませんでした。。。』
清水『まぁ見て来なきゃ俺も知らなかったよ。だからバーガンディとか黒とか濃い色にしてごまかしてる訳』
本間『なるほど』

清水『で、出来たのがこれ』

 

 

清水『左がローラー前で、右がローラー後。光沢感が全然違うだろ?』
本間『ホントですね』
清水『あとは色染めて完成だ』
本間『あ、端折った!』
清水『写真が見当たらなかったんだよ(-_-;)当時デジカメ持ってなかったら写ルンですだ。。。』

清水『と言う訳で今から15年以上前に行ったホーウィンの話だけどどうだった?』
本間『良いですね~。プロっぽいですよ!』
清水『(プロなんだよ、一応)ホーウィンってコードヴァンで有名だけど、生産のほとんどはクロムエクセルとかハード系の革が多いんだって。バスケットやアメフトのボールの革なんかも作ってたよ。もっとも売り上げの半分がコードヴァンって言ってたけどな、当時は』
本間『へ~』

清水『ところで、これ続くのか?』
本間『続きますよ!まだまだあるでしょ?』
清水『まぁ、あるけど。。。』
本間『皆さん次回をお楽しみに!』
清水『。。。』

 

 

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コメント: 2
  • #1

    akiyama (日曜日, 25 9月 2016 17:27)

    カカトから土踏まずにかけてのホールド感を体験したいですねェ

  • #2

    BROSENT (月曜日, 26 9月 2016 10:06)

    akiyamaさん、コメントありがとうございます。
    手前味噌にはなりますが、足入れした瞬間に違いが分かる靴って私の靴の歴史の中でも数足しか出会ったことがありません。しかも全て10万円オーバーの靴ばかりでした。お試しだけでも良いので是非一度足入れしてみて下さい!