コラム『私と世界の靴vol.6~スプリング・ライン(英)』

こんにちは。。。BROSENTの清水です。
靴を作るための型の事をラスト、日本では木型と言います。
靴はラストでほぼ勝負が決まると言っても過言ではありません。
見た目だけでなく、フィッティングの特徴もこのラストで決まります。
イギリスの靴の聖地と言われるノーザンプトン、そこにある多くのメーカーが同じラストメーカーにラストを発注しているってご存知でしたか?
それが今回の主役スプリング・ライン社です。

 

本間『へ~、それは知らなかったですね~』
清水『だろ?かなりの通でも知らないと思うぞ、多分』
本間『ですね~。で何しに行ったんですか?』
清水『ラスト屋にラスト作りに行かないで何しに行くんだよ?』
本間『え!?そんなとこにまでラスト作りに行ったんですか?』
清水『そう。トリッカーズでオリジナルラストのコレクション作ろうと思って。当時トリッカーズのドレスをやりたかったんだけど、どうしても純正のラストが癖強すぎるように思えて、一から作れないかと思ったことがあってさ』
本間『また我儘言いますね~』
清水『ラストに拘らなくなったら靴屋辞めるよ、俺』
本間『普段から「ラストが一番大事」って言ってますもんね』
清水『で、連れていかれたのがスプリング・ライン』

 

 

清水『残念ながら外観の写真は無いんだけど、流石に中はラストだらけだったよ』

本間『で、出来たんですか?ラスト?』
清水『時間かかったけどね~!ヒール・トゥ・ウェイスト(踵から土踏まずまで)を細くするってのが今ほど当たり前じゃなかったから、「何でそんなことすんだ?」「この位か?」とかやってたら半年かかった。。。(-_-;)』
本間『執念ですね』
清水『そこだけは手を抜けないからな。で、出来たのがこちら』

 

 

 

本間『お~!』
清水『ヒールを小さくしてウェストを絞り込み、捻った感じのラストって海外でもごく一部の高級メーカーしかやってなかったから、当時としては画期的な既成靴だったと思うよ』

清水『あと関係ないけど、さすがUK!ポール・マッカートニーの個人ラストが置いてあったよ。ほら』

 

 

本間『尖ってますね~!衣装ですかね?』
清水『そうじゃない?ウェスタンみたいになるんじゃない、ラストだけ見ると』
本間『ですね。凄いっすね~。他に有名人の個人ラスト見たことあります?』
清水『何回かあるよ。ここじゃないけど、チャールズ皇太子でしょ、ロロピアーナさんでしょ、あとエトロさんとか。。。写真あったかな~。。。探しとくわ。最後にもらったお土産で今回はお終い!』

 

 本間『おしまいって💦ちょっと気になってる事が有るんだけど!!このblog読んでる人も多分気になってますよ💦」

清水『何だよ』

本間『トリッカーズでオリジナルラストのコレクションって言ってたけど、今も有るんですか?」

清水『有るよ』

本間『有るよって何かのドラマのマスターみたいな事言ってないで’(笑) で!どのトリッカーズのラストなんですか?』

清水『言わなきゃダメ?あんまり言いたくないんだよなぁ・・・だからどうしたって話になるし・・・」

本間『減るもんじゃないし言っちゃいなよ(苦笑)』

清水『じゃあヒントだけな。日本でトリッカーズのドレスラインの靴って見た事有る?』

本間『有りますよ。勿論。えっ???』

清水『それだよ』

本間『それだよって💦マジか??あれ清水さんが作ったラストなの・・・か・・・? 結構スゴイ事じゃないかと・・・」

清水『そうか?靴屋なら普通だろ?』

本間『何をそんなにサラッと・・・トリッカーズに作らせたんでしょ💦この人やっぱり変人だ・・・」

清水『うるせーお前に言われたくねぇよ!』・・・・・等々

 

本間『今回のスプリング・ラインは如何でしたか?ラスト魔人清水を垣間見ることは出来ましたか?変人でしょ?

変態でしょ?怖いわマジで(笑)・・・と言う事で次回はどこでしょうね?お楽しみに!』

 

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