コラム『私と世界の靴Vol.11~東欧行ってみました』

こんにちは、前回は富士山に登ってしまったBROSENTの清水です。。。(-_-;) ⇒前回は『こちら』
本間さんにも『次回はちゃんと靴で!』と言われてしまったので、今回は大まじめに靴の話です!

世界は広い、東欧にも沢山の靴メーカーが存在しています。
皆さん東欧の靴と言うとどんなものを想像されますか?
ハインリッヒ・ディンケンラッカー的なトゥの丸いゴツ目の靴を想像される方が多いかもしれませんね。
今回はそんな貴方の目から鱗が落ちる。。。かもしれないお話です。
興味があったらお付き合いください。

 

本間『東欧靴って一時期流行り、って言うか話題になりましたよね?』
清水『そうね。実売に繋がったかは知らないけど、確かには話題になったな』
本間『良いんですか?東ヨーロッパの靴って?』
清水『そりゃピンからキリまであるだろ?ピンの話はよくイタリアメーカーで聞いたな』
本間『何をですか?』
清水『よくmade in italyって書いてある靴あるだろ?でも実はアッパーは東欧で作らせて、イタリアでソールを付けて、made in italyって売ってる靴って結構多いんだよ』
本間『何と!ありですか?それ?』
清水『日本だって結構やってるんだぞ、実は。日本製って書いてあるけど、実は中国とかでアッパーまで作らせて、日本で底付けして日本製でございます、って言う靴』
本間『へ~、そうなんだ!書いて大丈夫ですかね、これ?』
清水『。。。知らん。。。法律に引っかかってる訳じゃないから良い。。。かな。。。でも、キリの方は凄い良いらしい、と言うのは聞いてた訳よ』
本間『あ、強引に話進めた( ゚Д゚)!』
清水『何故良いかって言うと、西欧と違って言い方は悪いけど遅れてるんだよな、機械が。だから昔ながらの作り方がまだ残ってるんだよ、東欧って』
本間『なるほど』
清水『あと共産圏が多かったから、第2次大戦後も軍靴の生産が盛んに行われてたんだ。ハンドソーンで軍靴作ってたもんだから、凄腕の職人が大量にいたんだろうな。特にルーマニアは靴の生産が盛んなんだけど、チャウセスクの独裁が長かったでしょ、あの国。隣国に亡命して、靴作りで生計を立てた職人さんが多かったって言ってた』
本間『暗い過去ですね~』
清水『そうなんだよ。ロンドンで靴作ってたのが、革の生産地だったノーザンプトンに生産を移し、コストが合わないからってイタリアに生産を移したように、色々なものに歴史ってもんがあるんだな』
本間『今回は勉強になりますね。。。で、何しに行ったんですか?東欧』
清水『そうだ、その話だ(;^_^Aサンクリスピンってあるだろ?そことの商談&工場視察でオーストリアのウィーンと、ルーマニアのブラショフってところに行ったんだ』
本間『ブラショフ?聞いたことないですね』
清水『首都のブカレストから車で2時間くらいかな?製靴業が盛んなところだ』
本間『へ~。じゃあいってみましょうか!』

 

 

清水『まずはルーマニアに入る前にウィーンに入ったんだ』
本間『音楽の都ですね!』
清水『綺麗なところだったよ。街全体が重厚で歴史あるな~、って感じ』
本間『靴屋さんは?』
清水『まずは日本でも何年か前にスニーカーがちょっと流行ったルーディック・ライターから』

 

本間『店っていうより博物館って感じですね?』
清水『街全体がそんな感じだからな。どこもかっこ良いんだよ』
本間『なるほど。(自分だって日本人のくせに。。。)』
清水『日本ではスニーカーのイメージだけど、やっぱり本業は革靴なんだ』

 

本間『出た!東欧靴!』
清水『ここんちはこう言うのが多かったね(;^_^Aただ古いメーカーだけあってブーツも結構作ってて、かっこ良いのがあったよ。で、ブラッド・ピットの映画に使われてたって!』

 


 

本間『カッコイイ!』
清水『だろ?ま俺らが履いてこう見えるかは別だが。。。』
本間『確かに。。。』

清水『続いてはこちら』

 

清水『ルドルフ・シェア&ゾーネ、と読むらしい』
本間『こりゃまた高そうですね~!』
清水『基本ビスポーク屋さんらしい。2階で作ってるんだけど、職人さんはルーマニアから流れた来た職人さんが多いって言ってたな~』
本間『やっぱりルーマニアなんですね~』
清水『靴はもちろん東欧っぽい靴もあるんだけど、俺らが見てもかっこ良いのもあったぞ。これなんかほら』

 

本間『これ綺麗ですね~!』
清水『だろ?あとここもやっぱりブーツね』

 

清水『ガチの乗馬ブーツだね、これ』
本間『ガチとガチじゃないのがあるんですか?』
清水『これ少し前方に傾いてるだろ?これ馬に乗った時に丁度良いように出来てるんだよ。普通には立ちづらい』
本間『なるほど!』
清水『ここんちは相当歴史あるらしいからな。貴族とかの乗馬ブーツ作ってたりするんだろ』
本間『良く入れましたね。。。』
清水『根性だな、根性。でもウィーンで一番気に入ったのはここじゃない!』
本間『え、違うんですか?』
清水『違う!ここだ!』

本間『失礼ですけど、前2軒に比べると、随分と、また。。。』
清水『マフテイだ!庶民っぽいか?靴は店構えじゃないんだよ!靴屋は靴が良ければ良いんだ!見ろ!』

 


 

本間『超綺麗じゃないっすか!!』
清水『だろ~!綺麗なんだよ、ここんちのラスト』
本間『さすがラスト馬。。。の達人!』
清水『鹿、忘れてんぞ』
本間『( ゚Д゚)』
清水『まぁ、いいや。ルーマニアって東欧で唯一ラテン系の国なんだって。そこ出仕だけにエレガントなのかもな。でも木型だけじゃなくて技術も半端ないぞ、ここんちは。見ろこのブーツ』

 

 

本間『ん。どこが。。。あ!このブーツ後ろに繋ぎ目がない!シームレスバックって言う。。。ん?待てよ?もしかして?』
清水『気付いたか?これどこにも継ぎがないんだよ』
本間『凄ぇ!これ凄ぇ!』
清水『昔短靴は作ってもらったことあるんだけど、ブーツは初めて見た、俺も』
本間『これどうやって作ってるんですか?』
清水『俺も分からん。。。(-_-;)聞いたらじいちゃん「ふっふっふ」って言ってた』
本間『秘密ってことですね(-_-;)』
清水『ここんちも元はルーマニアのブラショフ出で、じいちゃんの親父さんだか、おじいちゃんだかは前述のルドルフ・シェア&ゾーネでも靴作りを教えていたらしいぞ』
本間『凄いんすね、マフテイ』

 

 

本間『これは?』
清水『何か凄いんだろ~な~、と思って撮った』
本間『それだけ?』
清水『それだけ』

 

清水『今回は以上です!』
本間『え?サンクリスピンは?』
清水『工場撮影禁止だって。だから写真が無い。ぶっちゃけあの人嫌い、人として』
本間『あ、ですぐ止めちゃったんだ、サンクリスピン』
清水『そう。。。』
本間『。。。深い話は聞かない方が良さそうですね。。。まぁ十分楽しめたからこれで良しとしましょう!』

本間『如何でしたか?ちょっと本筋からそれましたが、十分東欧靴の話を楽しんでいただけたのではないでしょうか?ではまた次回!』

 

 

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