コラム『タニノ・クリスチーのここが凄い~名靴とは何ぞや!?』

こんにちは、BROSENTの清水です。
BROSENTでは本日より得意の革の染替えなどの技術を利用したリメイクシューズの販売を開始しています。
第1弾はメンズ&レディースのタニノ・クリスチーです!
1876年創業の老舗メーカーでしたが、2011年に惜しくも廃業してしまったため今では幻となってしまったブランドです。
オークションなどで見ることは出来ますが、コンディションの良い物はなかなか見つかりません。
BROSENTでは独自のルートを使って現在17足ほどかき集め、リメイクをして販売しています。
個人的にタニノ・クリスチーの靴は持っていなかったのですが、取扱いの準備段階で靴をまじまじと見て思いました。
『名靴って言われるだけのことはあるな、こいつ。。。』と。。。

 

では一体どこがそんなに凄いんでしょうか?
私が気に入った3カ所を例にお話していきたいと思います。

本間『タニノって持ってました?』
清水『いや、持ってなかった。元々ウェルテッド(グッドイヤーウェルト製法)をメインにやってる店で働いてたからタニノは全くって言って良いほどノーマークだった。』
本間『高いですしね。』
清水『そうだな。靴屋って自分の給料で売ってる靴が買えないもんな、普通。。。(T_T)』
本間『悲しい現実ですね。。。で、どう思います?タニノ?』
清水『良い靴だと思う。』
本間『例えばどの辺が?』
清水『まず素材だな。』

 

カーフ
カーフ
スエード
スエード
シュリンク
シュリンク

 

清水『今回カーフ、スエード、シュリンクと入って来てるけど、どれも非常にハイレベルだ。特にシュリンクは良いね。張りがあってしっかりしてる。カーフのキメの細かさも申し分なしだ。』
本間『シュリンク染めるの大変でしたよ(T_T)!でもやった甲斐がありました!』
清水『でもね、ぶっちゃけて言うと高いお金出せば良い素材って買えるんだよね。もちろん値段に跳ね返るけど、伝手さえあれば買える。J社なんかはバックにH社がいるから物凄い良い素材を使ってるでしょ?』
本間『そうですね。やっぱりお金だ( ノД`)シクシク…』
清水『致し方なし!ただうちの場合はお金はそんなに無いけど少量生産なので良いランクの物だけ引っこ抜いて来てるからかなりレベル高いけどな。』
本間『ヤクザだ。。。( ゚Д゚)』

本間『他には?』

 


 

清水『モカの処理だな。』
本間『ほ~!』
清水『これはお金出しても良い職人さんがいないと出来ないわ。』
本間『確かにタニノのモカって細かいですよね。』
清水『特にすくいモカとかツイストって呼ばれてるモカは綺麗だ。この手のモカはイギリスよりイタリアの方が綺麗かな?アメリカ靴がおもちゃに見えるわ。』
本間『また毒を。。。』

清水『でも一番はモカじゃない!』
本間『じゃあ一番は?』
清水『構造だな。』
本間『構造?』

 

タニノ・クリスチー
タニノ・クリスチー
タニノ・クリスチー
タニノ・クリスチー
BROSENT
BROSENT

 

清水『例えば靴を後ろから見てみ。』
本間『ふむふむ。。。』
清水『踵周りが丸いだろ?』
本間『ホントだ!これうちの靴と似てますね?』
清水『そう!人間の足を後ろから見れば分かるけど、一番下のかかと部分って丸いんだよ。その上に細い腱が来る。その形を忠実に再現したラストを使ってる訳だ。』
本間『なるほど。』
清水『でも良いラストを作っただけじゃ出来ないんだよ、これ。』
本間『そうなんですか?』
清水『木型ってのは足の形に忠実になればなるほど複雑になるだろ?』
本間『そうですね。』
清水『で複雑になればなるほど釣込む(成形)のが難しくなってくるんだ。』
本間『そりゃそうですね、なるほど!』
清水『更にその複雑な形をきっちりキープするために、この靴は凄い良い芯材を使ってる。』
本間『確かにしっかりしてますね。手前味噌になっちゃいますけど、うちの靴と似てません?考え方とか?』
清水『イェ~ス!そうなのよ!しかも見てみ!パンプスでも同じ事やってる!芯なんか入ってりゃ良いや!程度の靴が多いパンプスでここまでやってるって初めて見たよ!足入れ出来ないけど他の靴とは次元が違うぞ、これ、多分。』
本間『凄いんですね、タニノ!』


ルックスは個人の好き嫌いがあるので、それを理由に名靴とは言わないと思います。
ましてやブランド名でもありません!
素材と作りが高次元で融合した靴、それが名靴です。
タニノ・クリスチーは間違いなく名靴に数えられて良い靴だと思います。
是非一度ご自身の足でお確かめになってみて下さい!
あ、もちろん足に合わなければ名靴もただの痛い靴ですけどね。。。(;^_^A



BROSENTでは「染め替え」「修理」を郵送でご対応致します。
詳しくは『修理&染替えの郵送でのご依頼』をご覧ください。

 

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コメント: 2
  • #1

    朴 時成 (火曜日, 18 9月 2018 05:50)

    本当の一流品を教えてくれた靴。
    30年前銀座のショーケースに飾ってありました。当時価格8万円くらいで20代の私には高嶺の花、いつか必ずと思い、売れていないか心配で店先に行ったものでした。早いものであれから30年の歳月が過ぎた今でも一番靴です。2度と出会えない靴 タニノ・クリスティ

  • #2

    BROSENT (火曜日, 18 9月 2018 10:42)

    朴さま、コメントありがとうございます。

    そうですね。残念です。
    こちらのブログのせいか当店ではタニノのお修理や染替えなどの依頼を良く承っております。
    朴さまも機会がありましたら是非宜しくお願いいたします。