コラム『私と世界の靴最終回~私が影響を受けた靴』

こんにちは、BROSENTの清水です。
一部のマニア(?)の方には大変受けたと思われる連載企画『私と世界の靴』も今回で20回目となりました。
今回を持ちまして最終回とさせていただきます!!
最終回を記念して、20年以上海外の靴を見てきた中で私が最も影響を受けた靴をご紹介したいと思います!

 

本間『20回ですか!良くもちましたね~!』
清水『だな~。靴の話だったらいくらでも書けるんだが、もう写真が無い。。。(T_T)あるっちゃあるんだが、バラバラな上に靴と関係ない写真が多くて。。。』
本間『でも20回行けば良いでしょ。そろそろ飽きたし』
清水『お前が言うな。そもそも書けって言ったのお前だろうが!』
本間『まぁまぁ。じゃあ最後は清水さんが今まで見た来た中で影響を受けた靴の話ってのでどうですか?』
清水『一つには絞れないけど良いか?』
本間『良いですよ。』

清水『じゃあまずはイタリアのリカルド・ベステッティ

 

 


清水『アメリカでウェスタンブーツに影響を受けて靴を作り始めた変わり種で、作風にもそういった雰囲気が良く出てる。』
本間『あの靴は独特ですもんね。』
清水『これは彼に作ってもらったビスポークで、3足目?4足目かな?とにかく一番気に入ってるのが彼のフィッティングの考え方。』
本間『フィッティング?(靴の事聞いてるのに。。。(-_-;))』
清水『フィッティングの考え方って人それぞれだと思うんだけど、俺は「踵から踏まずまでをきっちり抑え、前はピッタリだったり多少緩くても大丈夫」って思ってる。リカルドもまったく同じ考えで、だから彼の靴は木型から構造まで足の後ろをきっちり抑えられるように出来てる。これ実はさ、ラストのウェストを削るだけだと出来ないんだよ。』
本間『え?そうなんですか?』
清水『ポイントは2つ。一つは芯材。もう一つは教えない』
本間『教えないって貴方!同じ店のスタッフじゃないですか!?』
清水『じゃあ後で教えてやる。まぁとにかくうちの靴の後半分はリカルドのやり方に限りなく近いと言うことだな』
本間『だから足に食いつくような履き心地になるんですね』

 

 

本間『他には?』
清水『あまりメジャーじゃないかもしれないけど、ゾンキーブーツ、あれは良かった』

 

 

本間『これ以前清水さんのところで買わしてもらったやつです。これは履きやすい!』
清水『元々サン・クリスピンを立ち上げた人がやっているブランドなんだけど、サン・クリスピンがルーマニア製なのに対して、ゾンキーブーツはイタリア製。ジャコメッ●●やエ●●スなんかも手掛けているメーカーで、セメントからハンドソーンまで手掛ける変わったメーカーなんだ。』
本間『ほ~、そりゃ凄い』

 

 

清水『特徴は何といっても半端じゃない返りの良さ!ハンドソーンとは言えあそこまでソールの返りが良い靴は見たことがない。あれ履いちゃったら、英国靴は履けなくなるな。』
本間『確かに(笑)』
清水『ただハンドソーンだとやっぱり価格が高くなっちゃうだろ?ある程度。で、グッドイヤーでどこまで近づけるか、ってことで開発したのが超柔軟レザーソールのイタリアンスーパーソフトな訳。』
本間『これ異常に柔らかいですよね?他のと比べると一目瞭然。この返りの良さならウェルト靴でも返りが良いから履きやすいし』
清水『確かにな。靴好き推奨のレンデンバッハより注文が多いのが分かる気がするよ』

 

 

清水『最後は同じグッドイヤーと言うことでカルミナ。

 

 

本間『あれ清水さんが初めて日本に入れたんでしょ?』
清水『そう。だから愛着がある。メーカーの人間とも親しいし。でもそれで入れたんじゃないよ。木型への拘りが半端ないからだ。』
本間『他所と違うんですか?』
清水『そう。最近では底面、特にウェストを絞ったりするメーカーは結構あるんだけど、ここんちは更にアッパーの形状にも非常に気を使ってる。これは今まで見たことなかったから衝撃的だった!』
本間『自分も何足かオーダーしたやつ持ってますけど、あのフィット感の良さはそれが秘密でしたか!?』
清水『人間の足って外側と内側のカーブって違うだろ?それをちゃんと再現しようとしている。既製品メーカーなのにこれは凄い!
本間『なるほど。だからうちの靴もそうなってるんですか!』
清水『そう。これもただラストを立体的にすれば良いってものじゃない。
本間『また理由教えないんですか?(-_-;)』
清水『はっはっは!ヒントをあげよう。いくら立体的なラストを作ってもそれをきちんと靴に反映させなきゃ意味がない、ってことだ』
本間『う~ん。。。分かるような分からないような。。。まぁとにかく真似をしたと言うことですね?』
清水『真似って言うな!影響を受けたんだ。インスパイアだ、インスパイア!』

 

本間『にしても、見るところが最後まで気持ち悪いですね。もう少し「カッコいいから!」とか無いんですか?』
清水『うるせ~。悪かったな!』
本間『ちょっと変態だけど、それぐらい変態じゃなきゃ良い靴ってのは作れないのかも(笑)』
清水『最後まで気持ち悪いとか、変態とか悪口しか言わねぇな』
本間「いや、褒め言葉っす。と言う訳で若干病気チックなところもある清水が監修するBROSENTの靴、是非一度お試しになってみて下さい』


『私と世界の靴』最終回如何でしたか?
また何か別の形で再登場する(?)かもしれないのでお楽しみに!
ではでは。。。


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