コラム『経年変化と言う言葉~モナリザと一緒です』

 

こんにちは、BROSENTの清水です。

皆さん、靴は大事になさっていますか?

良い素材を使って、しっかり作られた靴はお手入れ次第でかなり長い間履くことが出来ます。

『安価な靴を何足も買い替えるほど私はお金持ちではありません』って言ったのはウィンザー公だったかな?

ともかく良い靴を長く履く事方が経済的にもお得で、身体にもよい事は間違いありません。

靴は履いていく内に履く人の足に馴染み、履き始めた頃と比べ格段に履き心地が良くなってきます。

このように長く履くことが出来る靴を指して『経年変化が楽しめる』みたいなことを良く言います。

この言葉が曲者です!!

単にボロくなった靴も『経年変化が美しい』なんて言われたら『そ、そうかな?』と思ってしまいます。

経年変化の美しい、美しくないには答えはありません。

モナリザが美人に見えるか、見えないか、と一緒です。

 

と言う訳で本日は私なりに≪美しい経年変化≫について考察してみたいと思います。

 

美しい経年変化に最も必要な事、それは。。。正しいフィッティングです!!

ビックリしました?『素材だろ!!』って思った方も多いと思います。

でも一番大事なのはフィッティングなんです。

何故か?

正しいフィッティングが美しい履きじわを生むからです。

図で説明すると。。。

 


 

左が正しいフィッティングで、右が間違ったフィッティングです。

左は足の甲と靴の甲に隙間がありません。

一方右には大きな隙間(黄色い矢印)があります。

革は曲がれば皺が出来ます。

左のジャストフィットの場合皺は浅い綺麗な物になります。

右のように隙間が空いていると、その隙間が全て皺となってしまうので、深く醜い皺になってしまいます。

こんな感じです。

 


 

一目瞭然ですね。

ジャストサイズの皺の方が浅くきれいなのが分かると思います。

 

次に必要なのが、当然ですが素材です。

個人的にはカーフが一番きれいだと思います。

先の写真のように細かいしわが入るからです。

しかし同じカーフでも白などの顔料で仕上げたものになると。。。

 

 

顔料仕上は革の上にペイントをかけた状態なので、革本体ではなくペイントに皺が入ったような見た目になるので私はあまり綺麗だとは思いません。。。(;^_^A

そしてもう一つ。

人気素材コードヴァンです。

 

 

コードヴァンは大きな皺が入る特徴があります。

ジャストサイズで履いてもです。

これを良いと思われる方も多いでしょう。

ですが私の理論で言うとアウトなんです。。。ですから私はコードヴァン自体があまり好きではありません。

ドレッシーさ、エレガントさにも欠けますし。。。

 

と言う事で私的最強は『ジャストサイズで履く、良いカーフに革の風合いを残した自然な仕上を施した靴』です!!

 

と色々な経年変化を見てきました。

『茶色の良い革だから経年変化が楽しめる』ハッキリ言って妄想です。

もしくは美的感覚がおかしいかです。

もちろん冒頭にも書きましたが、これは感覚の問題なので人それぞれなんですが。。。(-_-;)

でもジャストサイズが一番良い事はお分かりいただけたと思います。

オーダーで、サイズ調整で、BROSENTはジャストサイズに拘って運営していますので、何かお困りのことがあったら是非ご相談ください!!

 

 

 

 

 

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