染め替えの大敵・・・それは顔料・・・

本間です。

 

今回は私のお仕事でも有る「靴の染替え」の

お話です、。

 

と、言っても「before⇒after」では無く・・・

 

ハッキリ言いますと!悩みの種的な・・・

 

染め替えの大敵の「顔料(塗料)」仕上げの

お話です。

 

ホントに大変なんです😢

 

「顔料(塗料)」のお話は前にも何度か書いたことが有ります。

 

過去のブログ⇒「なんてこった・・・これは酷いよ・・・」

 

上質な革が中々手に入れずらくなった近年。

革の風合いを誤魔化す?為の手段なのか・・・

 

革自体は非常に良い物なのですが、毛穴がやや粗かったり、ムラが強く出て居たり・・・

そんな革を均一に魅せる為に表面に革用の「塗料」を使用している仕上げを

「顔料仕上げ」と言います。

 

※「ガラスコーティング」や「アドバン仕上げ」「ポリッシュドバインダー」等もその部類ですが

その類は「コーティングレザー」として正式に有る革なので今回は置いておきます。

あくまで、「カーフ」や「キップ」のスムースレザーとして販売しているのに

「顔料仕上げ」をしている革と言う事でご紹介致します。

 

それでは「顔料 誤魔化し仕上げ」の革とはどういう革なのかご覧下さい。

 

 

上記の様な革は顔料仕上げをされてしまっている革です。

 

「ムラ」も無く革の風合いが損なわれてしまっています。

それでは「顔料」では無く「染料」で仕上げられた革とはどの様な革なのか。

 


 

必ず「ムラ」が多少なりとも出ています。

天然皮革ですから場所によって染料の染み込み方は異なります。

 

その為に出る「自然なムラ」です。

また染料で仕上げられた革は良く見ると「粒々」としています。

これが「毛穴」です。ここから「通気性」や「クリームの浸透」等を助けてくれる場所なのですが

「顔料(塗料)」はその毛穴すら全て塞いでしまっています。

 

毛穴が塞がっていると言う事は「染み込まない」・・・

と言う事は染料が染み込まないので「染め替え」が行えません。。。

 

なので「大敵」なのですが、私どもではその「大敵」でも有る「顔料」を

落とせる場合は落としてから染めます。

 

こんな感じです。

 

 

上の方に残っているのが「顔料」です。

少々強引では有りますがその後の処理をしっかりしてあげる事前提で頑張って除去します。

 

この作業、ほぼ丸1日~2日程掛かります。。。

そして「顔料」を落とした状態の革がコチラで御座います。

 


 

ほぼヌメ革・・・(´゚д゚`)

この状態にしてあげればしっかりと染料が染み込み「染め替え」が行えます。

 

通常に「染め替え」を行える革はこの「顔料除去」を行う事無く作業に入れるのですが

顔料仕上げの場合は除去時間にこれだけの時間が掛かってしまいます。

 

その為、染め替えの通常料金は「8000円+税」ですが、

追加料金として「2000円+税」頂く事と納期を少し余分に頂いております。

※状態やデザインによって顔料除去が行えない場合も御座います。

 

また「飾り穴」や「特殊素材(コードヴァン・スエード・シボ革)」他

追加料金を頂く場合が御座います。

※素材や状態によって染め替え自体が行えない場合も御座います。