コラム『その靴炎の如し~パティーヌって実は。。。』

 

こんにちは、BROSENTの清水です。

黒靴派の私はもう10年以上茶系の靴を購入していません。

服もほぼ黒、グレー、ネイビー、ホワイトなので全く問題ありません。

でしたが!多くのテーラーさんとお取引をさせて頂いている間に、『どうにも茶系の方が合うな、この服は』と言う事がちらほら出てきました。

『でもまた履かなくなるかもしれないから作るのはもったいないな~。。。(-_-;)』と思っていましたが、ふとある事を思い出しました。

あの靴使えるかも!!

 

今を遡る事10年ほど前、当時私が働いていた靴屋さんで、スペインのCARMINAと言うブランドでトランクショーを開催しました。

その際当時同ブランドのパリ店の店長ミゲール・フォントさんと言うパリでもちょっと有名なパティーヌの達人と言われていた方を日本にお呼びしたんです。

一緒に食事したり、オフの日には観光に連れて行ったりと色々とお世話しました。

で、数か月後仕事でパリ店を訪問した際ミゲールが『日本に行った時はお世話になったね。ありがとう。』と言う事で贈り物をくれました。

それがこちらです!!

 

 

開けた瞬間目が点。。。

『。。。何か凄いね、これ。。。で、何でこの色なの?』と聞いたら、『トマシート(当時私はスペイン人にはトマシート、イタリア人にはトマジーノと呼ばれていました。≪小さいトム≫と言う意味らしいです。私名前朝義(ともよし)と言うので。。。(-_-;))のイメージで作ってみたんだ!』とのこと。

『あ、あ、そう。。。ありがとう。。。(どんなイメージだ!?)』

ミゲールさん曰く、うおおおおおぉぉぉぉ🔥🔥🔥!!と言うイメージらしいです。。。(-_-;)

そんなこんなで大変ありがたく頂いた訳ですが、当時はもうMr.Blackになっていた私には履く機会もあまりなく、下駄箱の肥やしになっておりました。

ですがここにきてちょっと茶系の靴の方が合いそうな服が少し増えてきたので、この靴が10年ぶりに日の目を見ることになりそうです!!

ちょっと見てみましょうか。

 

 

トゥの黒に近いボルドーから始まって、ヴァンプ(甲部)は薄い赤に、レースステイから後はパープルになっています。

横から見るとこんな感じです。

 

 

横から見た方が綺麗ですかね?

いませんよ、こんな靴履いている人。。。

ですが赤、紫系は茶系の仲間です。

きっと茶靴の代用として頑張ってくれるはずです!!

 

で、この靴を店に持って来た時のこと。。。

 

本間『またどえらいの持って来ましたね。。。』

清水『茶靴の代用にしようと思ってな』

本間『なるほど。でも気を使た方が良いですよ。多分履いているとヴァンプ部分辺りは色抜けますから』

清水『そうなの?』

本間『これ僕と同じやり方でやってましたけど(実は当時のオーダー会、本間君も別の取引先として参加してたんで、見てるんです)、これだけ染料が薄いと色抜けします。一時のものですよ』

清水『あ、そうか。向こうでもパーティーに行く時とかにパティーヌするって言ってたわ。つまりずっとこれ、って事じゃないんだな?』

本間『そう言う事です。これは一時用です。あと、こういう染めの方が実は簡単です。言い方悪いですが、適当で良いんで』

清水『適当なのか!?』

本間『言い方が悪かったですね。。。こういう感じでムラ感が強い方がやりやすいんですよ。むしろ。。。』

 

 

本間『こんな感じでムラ感を出さない方が面倒なんですよ。天然のものを染める訳ですから、どうしてもムラ感が出やすいんです』

清水『なるほどね~』

 

と、実際にやっている職人さんならではですね。

皆さんも時と場合を考えて、お洒落なシューズライフをお送りください!!

最後に当時イベントに参加していた若き日の本間君をご覧ください。

プププ。。。(≧◇≦)

 


 

 

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