コラム『Remember past order vol.59~白の染料とグレーの靴のお話』

 

こんにちは、BROSENTの清水です。

BROSENTの職人本間君の『お客様から「BROSENTって何屋さんですか?」と聞かれる。ついては「オーダー屋で御座います!」ってブログを書いて欲しい』と言う依頼の元始まった企画『Remember past order 』。

長年靴屋をやっていますが、メンテナンスの先生級の知識と技術を持った靴屋って実はそうそうありません。

なので≪メンテナンス屋≫でも≪染替え屋≫でも間違ってはいないんですが、やはり『靴好きの靴屋と、靴好きのメンテナンス屋が考え出した靴を是非履いてもらいたい!我々はオーダー屋です!』と言う事を知って頂きたい!と言う訳で、毎回過去にお客様がオーダーした靴を私なりに解説していこうと思います。

お買い物の参考にして頂ければ幸いです。

では参りましょう!

本日は白の染料とグレーの靴のお話です。

 

ご存知BROSENTのフリーカラーシステム。

『お客様の好みの色に仕上げてお渡しいたします!!』と宣っておりますが。。。実は出来ない色があります。。。(;^_^A

どんな色かと申しますと、≪白≫です。

何故作れないかと言うと、≪白≫の染料が無いから。

現代の染料の技術では作れないからです。

厳密に言うと作れることは作れるらしいんですが、『コストがかかりすぎる』『必要ない』と言う事で作らないそうです。

現在みられる様々な≪白≫い商品は、顔料(ペンキみたいなもの)で、本体の上に白い色を乗せた物や、脱色をして白っぽく見せる方法を使ったものです。

 

 

こちらの≪白≫の靴も顔料で仕上げたものです。

≪白≫は100%顔料だと思っていただいて間違いありません。

革が持つ毛穴が潰れてしまっているので、革本来の雰囲気とはちょっと違いますね。

プラスティックみたいな感じです。

 

 

アップで見ると分かるんですが、表面に細かいしわが入ります。

革本体に入ったしわではなく、顔料自体にしわが入った感じです。

これが亀裂に変わることも良くあります。

白の場合は仕方ないんですね。

諦めましょう。

 

因みに昔は白の染料あったみたいです。

今から1000年以上も昔、古代アンデス文明には白の染料、あったそうです。

それが一番上の写真です!!

1000年以上経っても白が残っているんですから、凄い技術ですね!!(@ ̄□ ̄@;)!!

 

さて、≪白≫の染料が無いと言う事は、他にも出来ない色があります。

≪白≫を混ぜないと作れない色≪水色(青+白)≫や、≪ピンク(赤+白)≫がこれにあたります。

そして≪グレー(黒+白)≫もこれに該当します。

でも私グレー好きなんですね。

で、私言いました。

 

『本間君さ~、グレーの靴何とかしてよ~、たまにあるじゃんイタリアのメーカーとかで~、あれ染料でしょ~。。。』

 

本間君頑張りました!!

色々と試行錯誤して、出来たのがこちら!!

 

 

グレーですよね?

でもこれ≪白≫は使ってないんです。(無いから当たり前ですが。。。)

この靴は完成直後はこんな感じです。

 

 

これに薄く≪黒≫を入れていきます。(本間君が)

入れすぎると≪黒≫になってしまうので、微妙に調整していきます。(本間君が)

更に濃い場所と、薄い場所を付けてメリハリを付けていきます。(本間君が)

 

そうすると。。。

 

 

下地のベージュ色を活かすことでグレーの靴が出来るんです!!

この方法だと革本来の味を殺すことなくグレーの靴を作ることが出来るのです。

 

あまり既成靴では扱っていない色ですが、非常に使いやすくBROSENTでも人気のカラーとなっています。

グレーシューズをお探しの方はゼヒBROSENTまで!!

 

 

 

 

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