コラム『Y様'コレクション~これが経年変化だ!』

 

こんにちは、BROSENTの清水です。

本日は靴の話でよく使われる『経年変化』についてお話ししたいと思います。

例の如く『え?そうなの?』と言う話が出てくるかもしれません。

気をしっかり持ってお読みください(笑)

 

 

 

先日当店の上顧客様のお一人であり、ファッション業界の大先輩でもあるY様とご一緒することがありまして、過去にお作りさせいて頂いた靴を何足か拝見させていただきました。

その靴をご紹介しながら本日の主題『経年変化』についてお話ししたいと思います。

 

まずは1足目。

 

 

ベストセラー、ダイヤモンドキャップ≪Riley(ライレー)にメダリオンを入れてお作りしたモデルです。

 

 

『取敢えず1足目は基本的な仕様で』と言う事で、そこ周りは≪Rendenbach(レンデンバッハ)≫社(独)のオークバークソール+コンビネーショントップでご注文いただきました。

ファッション業界一筋50年のY様。

もちろん靴は下駄箱に入りきらず箱にしまって積んでいるという典型的な靴好きでもいらっしゃいます。

こういう方の靴を作る時が一番緊張するんですよね~。。。他の靴と比べることが出来ちゃうので。。。(-_-;)

ですが完成後『清水さん、良いですね~、これ。』

 

 

『特に踵の食いつきと。。。』

 

 

『ウェスト(土踏まず)のフォット感が良い感じだわ。ビスポークみたいだよ。あ、一応オーダーか(笑)でも、この価格でビスポークみたいなフィッティングが体験できるんだから安いかもね』

 

多少の毒はありますが、おおむね褒めて頂けたようです(;^_^A

続いては。。。3足目だったかな、こちらです。

 

 

ダブルモンクの≪Rebecca(レベッカ)≫です。

1足目より濃く仕上げさせていただきました。

こちらはジャケットスタイル主体で、天候を気にせず履きたいと言う事で。。。

 

≪Vibram(ビブラム)≫社(伊)のイートンソールを付けてみました。

似たパターンの≪Harbro Rubber(ハルボロラバー)≫社(英)のスタッデッドソール(通称ダイナイトソール)は持ってるから試しに、と言う理由だけでこちらになりました。

 

 

バックルは拘りのゴールドです。

『最近の既製品はシルバーばっかりだから、こういうのが選択できるのは有難いよね』とのことです。

確かにBROSENTのオーダーは既成靴と大して値段が変わらないので、有難いかもしれないですね。

 

最後に最新作を。

 

 

今年の春夏に出したサイドエラスティックの≪Maria(マリア)≫です。

今回はネイビーでのオーダーです。

 

 

しかもただのネイビーではありません。

要所要所に黒などを入れてより深い味わいに仕上げてみました。

きちんとお手入れがされているので、作った当初と同じ雰囲気で履けていただいております。

 

 

こちらも『この部材は履いたことないな~』と言う理由で選んで頂いた≪Vibram(ビブラム)≫社(伊)のケープタウンをトップリフトに付けてみました。

こちらは大当たりだったようで『跳ねるような履き心地になるね、これ』と大変喜んでいただけました。

これ今度私も付けてみようと思っています。

 

さて!そろそろ本題の経年変化についてお話ししましょう。

経年変化、便利な言葉です(;^_^A

たまに『どう考えてもボロイだけでしょ』と思われる靴でも『経年変化がかっこ良い』と言われると、何となくこれはこれで。。。と思っちゃいますよね。

販売員さんも普通に『茶靴は経年変化が楽しめますよ』とか言っちゃってます。

私に言わせると『経年変化はただ古いだけではない!!』です。

良い『経年変化』とは『履き込まれたことで生まれる革本来の雰囲気が出た状態』をいうものだと思います。

だとすると幾つかの条件が必要になります。

 

1.品質の良い革

これは当たり前ですね。

 

2.サイズが合っている

サイズが合っていない靴は深い履きじわが入ります。

深い履きじわは美しくありません。

 

3.きちんとした仕上げ

顔料で仕上げた靴は表面を樹脂染料で固められてしまっているため、プラスティックのようなのっぺりとした表情になっています。

この仕上げだと革の表面が表に出ていませんから、革の雰囲気を楽しむことが出来ません。

イギリスやイタリアの高級靴と言われる靴では滅多に使われませんが、残念ですが日本やアメリカの靴などではコストを下げるために頻繁に使用されます。

 

4.定期的なお手入れ

革に適度な栄養を与えてあげないと、革は色あせてカサカサになってしまいます。

言わずもがな美しい訳ありません。

 


 

ここでもう一度Y様の靴を見てみましょう。

どれもきれいに磨かれていますね。

しかもバリバリのハイシャインではなく、本間先生直伝の『ハンドポリッシュ』で適度に光沢を出しています。

これも革の雰囲気を出すのに一役買っていますし、何より上品です。

いずれも素晴らしい『経年変化』を経ていると思います。

 

皆さんもBROSENTで素晴らしい『経年変化』を楽しめる1足と出会ってみませんか?

 

 

 

 

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